隠れた傑作ライトノベル「とある飛空士への追憶」【おすすめ小説紹介】

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「とある飛空士への追憶」って何?

とある飛空士への追憶」は犬村小六さんによる、
2008年にガガガ文庫から刊行されたライトノベルです。

とある、と聞くと某禁書目録を想像する方も多いでしょうが、
この小説はそれらとは全く関係ないので、ご了承ください。

「とある飛空士への追憶」は分類としてはライトノベルですが、
一般的な小説といっても過言ではないくらい、硬派な物語が描かれています。

そして、その物語の展開には無駄は一切なく、一冊で完結します。

ライトノベルで、一冊で完結する、という作品は珍しいですよね。

なので、手に取りやすい本だと思います。

内容を簡単に言えば、「空の旅」を通しての身分差のある二人の恋、です。

身分差のある二人の恋というものは、昔からある王道ものですが、
この作品は決して陳腐なものではありません。

臨場感のある展開、細やかな心情変化、余韻の残るラストシーン等、
見どころはたくさんあります。

この作品は、文庫版と単行本版(新装版)の2種類が出ていますが、
新装版のほうが改訂されているので、単行本版をおすすめします。

単行本版は通常の小説のような表紙をしています。

もしかしたら、この作品をライトノベルにしておくのはもったいない!と思ったから、
新装版を出したのかもしれませんね。

さらに、この作品はアニメ映画化や漫画化もされています。
通販サイトでの評価も高く、知名度は比較的低いものの、
いかに人気のある作品かわかっていただけると思います。

あらすじ

中央海と呼ばれる海を隔てて、西方大陸を支配する神聖レヴァーム皇国と東方大陸を支配する帝政天ツ上の両国が戦争を続けていました。

そんな中、次期皇妃に選ばれた存在であり、この物語のヒロインであるファナ・デル・モラル
帝政天ツ上内にあるレヴァーム皇国自治領から、中央海を隔てて12000km離れたレヴァーム皇国の本国まで偵察機一機で届けるという作戦が立案されました。

敵国の領空を偵察機一機で突破するというのがいかに無茶な作戦か分かって頂けると思います。

その作戦名は、「海猫作戦」。

そのパイロットに選ばれたのは、飛空士であり、この物語の主人公である狩野シャルル

しかし彼は、敵国との混血として生まれ、虐げられ生きてきた存在でした。

それゆえ、空を飛ぶことに自由という喜びを感じる少年です。

一方、ファナのほうは、元々は活発な性格でしたが、その身分の高さや、政治に利用されてきたことで、感情を失い、まるで人形のようになってしまいました。

そんな二人が12000kmの空の旅をする、恋と空戦の物語です。

感想

恋と空戦の物語」と言われている通り、大きな見どころは、やはりその2つですね。

狩野シャルルは、身分の違うファナとの感性の違いに戸惑いを感じながらも、共に過ごし、困難を乗り越えていくことで、ファナに惹かれていきます。
「とある」とタイトルに書いてある通り、身分の低さゆえ、狩野シャルルは歴史には残らない、残ってはいけない人間です。
なので、彼がどんなに良いことをしたとしても、彼が認められることはありません。
それにも関わらず、彼は、悩みながらも、自らで決断していきます。

空の旅での大きな変化があったのは、ヒロインのファナ。
そこで、狩野シャルルとかかわっていく内に、自由というものを知り、次第に心を開いていくようになります。
特にこのファナの心境の変化が、読んでいておもしろかったですね。

そして、臨場感のある空戦
二人の心理状態を交えながら描かれる描写は、緊迫感と凄い迫力を感じることができます。
小説で迫力?なんて思うかもしれませんが、ぜひ、実際に読んでみてください。
映像を見ているわけではないのに、頭にその映像がはっきりと浮かんでくると思います。

また、最後の余韻も良かったです
ネタバレになるのであまり言えませんが、この空の旅には確かに意味があった、そんな終わり方でした。

後、実はこの「とある飛空士への追憶」には、続編があります。

ただ、続編といっても追憶の物語の続きが書かれているのではなく、
別の視点だったり、同じ世界の別の物語だったりが描かれています。

「とある飛空士への恋歌」全5巻

「とある飛空士への夜想曲」全2巻

「とある飛空士への誓約」全9巻

が現在追憶の関連作として、出版されています。
どれも完成度が高く、追憶に引けを取らない面白さです!
また、「恋と空戦の物語」という根幹の部分は同じなので、
「とある飛空士への追憶」が気に入って頂ければ、ぜひ、読むことをお勧めします。

 

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とある国立大生
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